こんにちは。
前回に引き続き『現代生活独習ノート』です。
溢れかえる情報への対処でへろへろに疲れた現代人が登場する短編集です。
アラフォー的見どころ②私も毎日の食事に悩まされたくないよ~!!
情報過多のせいでへろへろになってしまった主人公その②
「粗食インスタグラム」の主人公「私」も会社員。
業界・業種は不明ですが常に判断を求められる仕事に疲れています。
なのでプライベートで判断をする余力はなく、職場でのランチは毎日インスタント酸辣春雨とコンビニサラダです。
夕食を決める気力もなくなんと2時間もスーパーをさまよってしまうほど疲弊しています。
だいぶ危険ですね、「私」。
そんな「私」がひょんなことから自分のひどい夕食をインスタに投稿し始めます。
平坦な毎日の中でもちょっと気分が下がることが複数起こり、その反対に意外な人との出会いや職場の人のちょっとした親切に元気をもらったりする「私」。
かすかに明るい兆しの見えるラストが良いです!!
「料理大好き!!」という人なら毎日の料理は何ら苦痛ではないのかもしれませんが…。
何を隠そう私は料理が大嫌い(笑)。
だから主人公「私」の「食に煩わされる余裕はないわ」って気持ち、めっちゃわかります。
毎日の料理の何が辛いかって、①調理に制限時間がある、②ある程度栄養に留意しないといけない、③待たれている(これが一番しんどい)、の三点なんです。私の場合は。
夕食がもっと簡素な国っていっぱいありますもんね。
だから個人レベルで日本の慣習に従う必要なんて全然ないんですけどね~。
「カロリー摂取のためにものを食べる」ただそれだけのことなのに、食事っていろんな感情が絡んでくるなあと思います。
自分一人で適当に好きなものを食べるのが一番気楽で心安らぐ食事ではないでしょうか?
でも常にそれでは寂しいから会食だってしたくなるだろうし、家族がいたら家族の健康に留意したくなるし。
食事に煩わされるのは面倒くさいけれども、面倒くさいことに取り組む日々もまた愛おしいのかもしれません。
主人公「私」も、面倒なはずの自炊に久々に取り組み、フリーズしていた心が動き出すのを感じています。
アラフォー的見どころ③親から受け継がないことを自分で選択する
「台所の停戦」の主人公「私」は実家住まいのシングルマザーで小5の娘と実母と同居しています。
お、私とほぼ設定が同じ。
冷蔵庫の中を実母の不用品が占拠していることや、母と娘が台所を共用する際のぎくしゃくなどが描かれます。
家族といえども他者と生活を共にするのって想像以上にしんどいと思います。
自分の任意にできないことやコントロールが効かない部分が、じわじわと自分の首を絞めてくる気がするんですよ。
実母の不用品のせいでぐっちゃぐちゃの冷蔵庫の中。
「私」は娘のプリンを無意識に移動させて冷蔵庫内で行方不明にさせてしまいます。
娘にプリンの行方を聞かれてイラっとする「私」。
でもここで「私」は気付きます。
実母もモノの管理が極めて苦手で指摘されると激怒する、それを私は受け継ぐのか、と。
そして「これは受け継がない」「私で最後にしよう」と決めます。
世代間連鎖の話ですね。
この話題に共感しない人なんていないんじゃないでしょうか?
「私」の気付きがすごく聡明でいいな、と思いました。
私が母親から受け継がない!!と決めたもの、それは「言葉にしないで匂わせること」です。
母親は自分が口下手だと自覚できているぶん、微妙な配慮が必要な局面では口を閉ざすのが常でした。
子育てにおいては微妙な配慮が必要な局面だらけだと思うのですがね。
苦手分野に挑戦するのが怖かったんでしょう。
口頭で伝えない思いは熱心に育児日記にしたためて、数年経ってから娘に渡す、というスタイルを取っていました。
いや、数年のちに渡されてもねえ…悩んでいる我が子を横目になに一生懸命日記書いてんの、って感じです。
子供にとっては「いま」「このとき」がすごく大事で、大事なことはちゃんと言葉にして伝えないといけないと思います。
だから自分の子供には伝えたい思いをきちんと言葉にして伝えています。
「愛している」「今日も一日ありがとう」は毎日言っています。
子供は人生経験が少ない分、「匂わせ」は意味ないです。
「月がきれいですね」が通じるのは大人に対してのみ。
こんなこと言ってて、きっと子供も「この部分は母から受け継がない!!」って将来考えるんだろうな~(汗)。
では今回はこのへんで。
師走の季節、どなたさまも事故なく怪我なく無事に過ごされますように。
