アラフォー過ぎても人生楽しみたい  本・子育て・人間関係

アラフォー司書です。書評中心に思うところを綴ります。キラキラしてません。

書評『一心同体だった』続きの続き

こんにちは。


前前回から『一心同体だった』です。
ではさっそく見どころを探っていきましょう!

 

アラフォー的見どころ③男社会に搾取される女性たちがほんとに痛々しい…

 

連作短編集の本作。
10歳から40歳の8人の女性たちの人生が描かれます。
学生時代はそれなりにワイワイと青春を謳歌しますが、社会に出たあたりから切実になってきます。

 

中でも20代の主人公・麗子が哀れです。
中学高校と自分を掘り下げる機会が持てなかった彼女はなんとな~く観光専門学校に進学します。
で、このあと麗子の迷走が始まります。


卒業後はホテルに就職し客室清掃係

⇒三ヶ月で辞める

⇒カフェのバイトを二年続ける

⇒恋愛トラブルで辞める

⇒アクセサリーショップでバイト

⇒派遣に転職…


と職を転々としほぼ最低賃金で働きます。
そんな中、両親が離婚し父親の面倒をみて疲弊していきます。
身体も心もボロボロなのに、おしゃれにはお金をつぎ込み美人であることにこだわります。

本当はボロボロなのに強がっている麗子。
ロックバンド・THE YELLOW MONKEYの『JAM』に出てくる”涙化粧の女の子”っていうフレーズを思い出しました。
痛々しくて悲しくなります。

 

でもそんな麗子にある転機が訪れ、やっと自分を痛めつけない生き方を選択します。
麗子のエピソードは素直に「ああ良かったな」と思えました。

 

他に、地方の携帯ショップで店長を務める超優秀な30代の絵里のエピソードも。
知恵を絞って懸命に売り上げを伸ばしますが、だからといって彼女の給与に反映されません。
そういう給与体系なのです。
完全に搾取ですよね。


地方の携帯ショップで働くのはなぜか元ギャルの女性たち。
デキ婚でどんどん辞めていき、店長である絵里にしわ寄せがいきます。
育休制度が整っていないこと、そもそも女性が稼げる仕事がないことなどを理由に、その地方では若い女性は使い捨てになっています。
夫が稼ぎ妻は専業主婦、夫の稼ぎで安く賢く暮らす、という生活が自然と形成されていく様子が描かれます。

 

うーん、みなさんご自身や周囲のご友人たちはいかがですか?
私は西日本の田舎に暮らすアラフォーですが、知る限りでは専業主婦ばかりというわけではないですね。
子供が就学したら短時間でも働く、という人がわりと多い印象です。
つまりは、家事も外での仕事もこなさないといけないということです。

 

我が子と同級生の父親が放った一言が忘れられません。
「オレ、家事しねぇし」。
そのご家庭の子は男ばかり。
間違いなく父親と同じく一切家事をしない男性が再生産されますね。

 

女性はどうしたら男性に搾取されずに生きていけるんでしょうか?
人それぞれ置かれている状況が違うのでいろんな考え方があると思いますが、やっぱり最重要なのは「お金」ですね。
お金があれば搾取や尊厳が傷付けられる状況から逃げ出すことができます。
弁護士を雇って戦うこともできます。


今回この『一心同体だった』を読んで、親世代のこと、自分のこと、次の世代のことなどいろいろ考えました。


作中、心に残るフレーズにたくさん出会いましたが一番ぐっときたのが次の言葉です。


 ”女性たちはリレーをしている。自分の代でなにかをほんのちょっと良くする。変える。打破する。前進させる。そうやって、次の世代にバトンをつなぐというリレー。”


同じ時代に生きる女性同士、連帯できたら心強いですね。
何か感じられることがあればメッセージお待ちしています。
それでは今回はこのへんで!