こんにちは。
前回からの続き、『一心同体だった』についてです。
「女ってだけでなんでこんな理不尽な扱い受けにゃならんのだ!」と声を上げたくなる作品です。
ではさっそく見どころを探っていきましょう!
アラフォー的見どころ②女の生態&男の生態をこれでもかと描写
特に中学時代、大学時代の女子の描写が興味深かったです。
主人公の属する中学のクラスでは、異性から見た魅力、持ち物のセンス、部活etc.でポジション(カースト)が固定化するのです。めっちゃわかる~。
中学時代って女子それぞれの個体差が大きくなる年代ですよね。
垢抜けて異様に性的に成熟する女子もいるし(こういう子は小学生の頃から片鱗が表れている)、サバサバと男子と気軽に話す女子もいるし、内向的になる女子もいる。
中学時代は女性にとって最初の人生の分岐点かなと思います。
物語は進んで大学時代。
高校時代は素朴だった女友達が一様に女らしさを身に着け始めます。
花柄のワンピースなんか着ちゃったり、お酒の飲み方を覚えたり。
山内さんは
”大慌てで、欲望の対象になろうとする私たち。”
と表現しています。
身も蓋もありませんが現実だと思います。
より強いオスに選ばれるように「いい女」の擬態に励むといったところでしょうか。
でも女子たちを擬態に走らせるものの正体ってなんなんでしょうね。
条件の良い男性と結婚しないとなかなか生活は厳しいという現実?
「女の子はねぇぇぇ~あんまり勉強頑張らなくていいよぉぉぉ~」という親あるいは二世代前の親族からの呪いの言葉?
私は女姉妹だったので親によるきょうだい間の男女差別は受けずに済みました。
地方ではいまだに、この令和に!きょうだい間の男女差別があると聞きます。
程度の差こそあれ誰しもそうですが、私も両親には色々傷付けられ恨みも捨て切れていません。
でも教育を受けることの価値を理解してくれて、お金も出してくれたことには感謝しています。
教育大事ですよね。
知識を得て、世の中の不正や差別に気付いて自分の身を守るために、自分で食っていくために。
でも女性が一人で食っていけたらおじいちゃん政治家をはじめとする世の男性は困るわけです。
女性には結婚して家庭に入ってもらって、子を産み育て労働力の再生産(夫の世話)を全て無料でしてもらいたいのです。
このあたりのいまいましいカラクリもしっかり物語の中で描かれていますので次回ご紹介します!
話が若干脱線しましたが、男性の生態に関する描写も強烈でした。
社会人になった主人公が、地方の女友達の披露宴に参加する場面が特に強烈!
酔ったおっさんが「先越されたからってひがんだらいかんよ」と暴言を吐き「新郎の男友達に酌して回れ」と勧めるわ、未婚の女性たちが見世物にされるわ、典型的美人ではない新婦が新郎の男友達に嘲笑されるわ、二次会の店先で新郎の男友達がイキって騒ぐわ(猿か)。
地獄絵図。
もう既視感しかありませんよね。
山内さんは
”因習に満ちたくだらねえ儀式”
とバッサリ表現します。
スカッとします。
地方のマイルドヤンキー男子もひどいけど、都心の大企業正社員男性もたいがいです。
派遣受付嬢になった主人公が正社員男性に誘われ合コンに参加する場面。
酒の入った彼らは尊大でナメ切った態度で派遣女性を品評するんですよ~。
”安定した会社に属して、それなりの給料をもらっていることは、彼らをとことんつけあがらせている。”
とこれまたバッサリ。
そのほかにも、
”(地方の中小企業は)とにかく目につくところに若い女を置きたがる。それが客への礼儀だと思ってるみたいに。”
などなど、「あんたらの本音、当方は分かってるからな。騙されんぞ!」と言わんばかりの胸のすく一撃が100発くらい発射されます。
ところで、ニュースでチラッと映ったけど、石破前首相が退任するときなんで花束を渡すのが女性だったの?
周囲は男性ばっかりだったのに。
どこかの首長が退任するときも花束渡すのは決まって女性。
酌は女がするものって感覚と同じですよね。
この作品を読んでから世の中に対する違和感への感度が上がりました。
別に男性に怖がられてもいいです。
おかしな点を見過ごさず、必要ならば毅然と声を上げたいです。
では今回はこのへんで。
次回も引き続き『一心同体だった』の見どころを探っていきます!
