こんにちは。
まだまだ残暑が厳しいですね。
でも、湿度はぐっと下がっていくらか過ごしやすくなった気がします。
早く最高気温30度切って欲しい…。
さて、前回『潮騒』を読んでみて「近代日本文学、びっくりするほど面白い!!」と感じました。
一口に近代日本文学と言ってもそりゃあいろいろですが…。
でもその流れでもう一作くらい行ってみようと今回は夏目漱石の『草枕』を読んでみました。
この作品、数年前に新潮文庫で入手して「フムフム、面白い!」と途中まで読むも、結局挫折してほったらかしだったんです(笑)。
自然描写がそれはそれは麗しくて、幻想的な雰囲気もあって、チョイ役の登場人物たちも魅力的で♪
でもたまに出てくる芸術論が難しくて挫折したんです~(泣)。
さあアラフォーになって気持ちに余裕の出てきた今ならどう感じるかな!?

『草枕』ってどんな話なの??
日本文学史に残る名文、「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」
から始まる夏目漱石初期の代表作です。
主人公は30歳の画家。
芸術全般を愛しつつも、実生活との折り合いをどう付けたらいいかモヤモヤしています。純粋で真面目ですよね。
旅行先の温泉宿で、美しき出戻り娘の那美に出会い心惹かれます。
彼女を描いてみようと考えますが、何か物足りなさを感じます。
その「何か」はラストシーンで明かされますが、このラストシーン、鮮烈でかなりグッときますよ。
さすが漱石先生。
最後まで読んで良かった!!
アラフォー的見どころ①人の世に暮らす難しさ、煩わしさよ…
山奥や無人島で自給自足の生活でもしない限り、他者とのかかわりは避けて通れません。
家庭で、職場で、地域で、子供関連で…。
付き合う相手は気心の知れた仲間ばかりではありませんよね。
冒頭から、人の世に暮らす難しさがじっくり語られ激しく共感します。
この住みにくい世を束の間でも住みよくしてくれるのが芸術だと、漱石先生は語ります。
ほんとその通りだと思います!
詩なんて濾過された美しい言葉の結晶だし、名曲は普段忘れがちな大切なものを思い出させてくれる。
スピードや効率がかなり強く求められる昨今。
大半の人が自己犠牲を強いられながら毎日を生きていると思います。
そうやって生活する以外にないんですけど、意識して、自分好みの芸術で栄養を補給しながらやっていきたいです。
ほんと、「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」ですね!
アラフォー的見どころ②主人公と那美の関係って何なの
大人の男女の、なんとも名付けられない関係性に思わずニヤリとしてしまいます。
主人公⇒動より静の人。脳内で思考が過熱しがち。
那美⇒いつも堂々としていて気が強く、打てば響くような会話ができる女性。
この那美がちょっとすごいんです。
男湯にいきなり入って来て、湯から上がったばかりの裸の主人公に着物を着せ掛けるんですよ。
かと思えば別の日は、湯につかっている主人公に気付かずに一緒に入浴してしまったり。
画家としての興味からか、主人公は那美の体を仔細に観察します(オイオイ)。
漱石先生、なまめかし過ぎでしょ!
なんだなんだ?理屈屋の陰キャ男が個性派美女にドキドキする話か?と思ったんですが…。
そう単純な話ではなく、主人公はあくまで傍観者の立場を貫きます。
この二人の会話がスリリングで面白いんです。
主人公は那美に「(あなたと)毎日話をしたい位です。何ならあなたに惚れ込んでもいい。」なんて言っちゃってます。
それに対して那美は動じることなくさらりと流します。
自分にも相手にも執着していない、これが二人の共通点かなと思いました。
だからものごとの核心をつくような思い切った会話ができるんですね。
自分のメンタルの手綱を握れていない若者にはできない会話です。
この二人の大人の会話、かっこいいです。
では今回はこのへんで。
次回は『草枕』のめっちゃ笑える側面をご紹介します!
私、涙出るほど笑いましたからね!