こんにちは。
毎日毎日ひどい暑さですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
夏バテせず安全に過ごせていますか?
私は中学校勤務なのですが、一学期終了が近づいているため、長期貸出の準備をしたり、夏休み中の蔵書点検の準備をしたりと、わりとバタバタしていました。
そのためしばらくブログの更新も止まっていました。
そんな毎日でももちろん読書は欠かしません!
今回手に取ったのは江國香織さん。
『号泣する準備はできていた』です。

第130回直木賞受賞(2004年)の話題作なのでご存じの方も多いと思います。
真っ先に言いたいのですが、読んでみてつくづく感じたのは、
「読み手のライフステージや精神状態によって、本の印象ってずいぶん変わるものだな。書かれている内容は全く変わらないのに!」
ということです。
実は大学時代、文学のゼミに所属しておりまして。
担当教授は、デビュー前から江國さんと親交があった方で当然ながら江國さん推しだったんです。
で、ゼミで『つめたいよるに』を読んだんですね。
当時21歳の私の感想は「洗練されててオシャレな感じはするけどガツンとはこない」でした(笑)。
教授の手前、思ったことをそのまま口にはしませんでしたが(笑)。
その後も『きらきらひかる』『こうばしい日々』『なつのひかり』『温かなお皿』などなど、けっこう読んだんですが、「洗練されててオシャレな感じはするけどガツンとはこない」という印象はそのまま。
がしかし!!
あれから20年近く経って、ふと手に取った『号泣する準備はできていた』が刺さりまくりました!!
大学を卒業した後、就職→転職→結婚→出産→離婚→実家に引っ越して子育て→学校に転職、とそれなりに経験を積んできました。
そんなアラフォーの私だからこそ、江國さんの作品を味わえるようになったんだと思います。
なんだか前置きが長くなってしまいましたが、『号泣する準備はできていた』がどんな作品なのかみていきたいと思います♪
『号泣する準備はできていた』ってどんな作品?
全12編からなる短編集。
20代から40代と思われる女性たちが主人公です。
どの短編においても大きな出来事は起こらず、日常における主人公の心境の変化や、他者(恋人や親族)との関係性が、細部に至るまでとてもリアルに切り取られています。
私は特に、アラフォーの女性の心情、男性の生態の描き方が秀逸だな、と感じました。
ではでは見どころを詳しく探っていきましょう♪
アラフォー的見どころ①人生の水平飛行に入ったアラフォー女性たちの心情・その1
アラフォーって人生の水平飛行の年代ではないでしょうか?
私はそうなんです。
急浮上も急降下もせず安定しています。
安定しているからこそ自分について立ち止まって考えもします。
本作にもそんな女性たちが描かれています。
いちばん印象的だったのが「こまつま」の美代子。
夫曰く、”家族のためにこまねずみのように働く妻”で、”こまつま”。
(そんな傲慢な見方をするこの夫を私は張り倒してやりたい(怒))
そんな美代子がデパートで家族のためのあれやこれやを買い回る姿が描かれます。
美代子にとって家族の世話を焼くことが存在意義になっているんです。
まだまだ女盛りと言っていい美代子。
家族の世話だけで満たされるはずはありませんね。
自分は幸せだ、満足している、とプライドを保とうとする美代子の心情が透けて見えます。
でもこのデパートで美代子はちょっとした冒険をするんです。
本当にささやかな冒険です。
でもそこはさすが江國さん、すごく粋でおしゃれな冒険なんですよ!
その冒険の前と後で美代子の世界を見る目が変わります。
急に世界が穏やかで親しいものに変わるんです。
きっと自分の意志でものごとを選んだからなんだと思います。
”人はどの時点からでも自分主体の人生を取り戻せる”。
美代子の姿から、江國さんのそんなエールが聞こえてくるような気がしました。
このエールに強く共感します。
では今回はこのへんで。
次回も『号泣する準備はできていた』の見どころを探っていきたいと思います!